こんにちは
大阪 堺の注文住宅【つむぐ家】の田中です。
一般の方が疑問に思う住宅のあれこれを解説するコラムです。
今回は
どんな家を建てればいいか、どんなリノベーションをすればいいか、よく分からないという方に是非知っておいて頂きたい、「ここちのいい家」の作りかたについてお話ししたいと思います。
最後まで読んで頂ければ、きっと住まいづくりのゴールが見えてきて、そこへ向かう道のりがイメージできる、そんなお話です。
注文住宅を検討されているお客様のご要望の中で、トップ10内にいつも入るのは
1. キッチンを使いやすくしたい
2. 家事の負担を減らせる間取りにしたい
3. 掃除の手間を省きたい
4. 収納がたくさんほしい
5. 趣味のスペースがほしい
6. 冬暖かく、夏涼しい家（高気密高断熱）
7. 光熱費を抑えたい
などです。
これらのご要望を一言で言い表すと何になるだろう、結局住宅の目指すゴールは何なのか、を考える中で私なりに一つの答えに辿りつきました。ご要望を一言で例えるなら
「淹れたての美味しいコーヒーを飲みながら、景色を愉しめる住まい」
が住まい手の共通するゴール。。。なぜそうなるの？と疑問に思われましたか？^^
ではその理由をご説明させて頂きます。
「淹れたてのコーヒーを飲みながら、景色を愉しめる住まい」
コーヒーは私の個人的な嗜好なので、ここは人によって
紅茶や日本茶、日本酒やワイン、冷えたビール、美味しい料理、スイーツ
に置き代わることになります。
また「景色」は、絵画や家族の写真、生け花や読書、でもいいですね。
大切なのは、それらを「愉しむ時間」がその家で作れる、ということ。
実はその「愉しむ時間」を家の中に創り出す為に、私たち建築士は過去の歴史を紐解き、新しい技術を学び、どう住まいをデザインすればいいかを日々頭を悩ませています💦
「愉しむ時間」とは・・・
「愉しむ時間」の為に必要なことを、もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
「愉しむ時間」の「時間」を生み出す為に
・1. 使いやすい水回り設備
・2. 家事動線の良い間取り
・3. 掃除が簡単にできて楽
・4. 5.出した物がすぐに片付けられる収納や趣味のスペース
が必要です。これらは「時間」を生み出すための手段でありゴールではないという事です。
「愉しむ時間」の「愉しむ」という心に焦点を当て考えてみたいと思います。
こんな場面を想像してみてください。
あなたは今、真夏の晴れた日にドライブ中です。車の窓にはモクモクの夏雲と真っ青な青空が美しく、目的地に着くまでの道中がとても気持ちがいいと感じています（そんな経験はありますよね？）
この時、外の景色を見て、なぜ気持ちがいいのでしょうか？
もう一つの場面は、雪が降る真冬に旅行に出かけました。宿の窓の外の景色を見ると、雪が降り積もった真っ白なとても美しい庭があります。その庭を眺めながら温かいお鍋を頂いています。
この時、庭を美しいと感じ、食事が美味しいと感じることができたのはなぜでしょう？
その時の身体の感覚に目を向けて想像してみてください。
車中から真夏の景色を眺めた時、もしエアコンが故障して車内が暑く、汗で体がベトベトしてるとしたらどうでしょう。景色を愉しむ心の余裕は無くなり、それどころではないですね(笑)
冬の旅館の部屋に暖房が無く、外と同じ気温の寒い部屋では、窓から見える雪景色が美しい、お鍋が美味しいなんて言っている余裕はないはず、、、
つまり、この時の私たちの皮膚の感覚が「ここちのいい状態」だからこそ景色を愉しむことができています。
五感
皮膚の感覚だけではありません。同時に、匂いはどうでしょう。強烈な異臭がしてもダメです。また、耳障りな騒音があってもいけません。
つまり景色や、食事を愉しむ為には、
・皮膚の感覚
・匂い
・音
が関係していることがわかります。
これら全てが「五感」（触覚・嗅覚・聴覚・視覚・味覚）です。
住まいとは人の心に間接的にアプローチする為に、「五感」をここちの良い状態にする事で、住む人の「心」を平穏にするものだと私は思います。
「五感」のうち
触覚・嗅覚・聴覚・視覚 を建築技術でコントロールすることとは
温度や湿度・気密性や気流、換気・防音や遮音吸音・眺望
これらを建築の技術と経験によりストレスの無い状態を作り出すことです。
そうすれば
6. 冬暖かく、夏涼しい家
7. 光熱費が安く、エネルギーを浪費しない家
も作る事が可能になります。
住まいのゴール
歯が痛くてなぜかイライラしてしまう経験ありませんか？
落ち込んでいる時こそ敢えて口角を上げて笑顔を作ってみる、、
すると気持ちが上向きになってきます(^^)
その様に、身体と心は繋がっています。
五感がここちよい状態になると、心に余白が生まれ、愉しむ余裕が持てるようになる。
つまり「どんな家を建てればいいか、どんなリノベーションをすればいいか、よく分からない」という方は一度ゴールを「時間」と「五感」２つに分けて考えて情報収集してみてください。
①「自分の時間を作る為に必要な間取りや設備はどうすればいいか」
②「その時間を愉しめる五感の為に必要なデザインや性能は何が必要か」
「コーヒーを飲みながら景色を愉しめる家」
これからもそんな家がこの街にたくさん生まれ、
ここで育った人が、帰りたくなるような街を作りたいと思います。
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