つむぐ家 現場管理担当の鈴木です
建てたお家をながく保つには何が必要か
考えたことはありますでしょうか?
日々のお手入れはもちろん、10年サイクルや20年サイクルで訪れる各種メンテナンスもそうですが、
「見えない部分」も時が過ぎるにつれて劣化が進んでいきます。
住む人間も含め
建材のほとんどは有機物でできており、寿命というゴールからは逃れようがありません。
ですが、一日でもながく とゴールを遠ざける事は可能と思います。
それには何をどうすべきか建材メーカーはもちろん、採用する我々も日々検討の毎日です。
今回は防蟻・防腐剤についてのブログです
国内住宅のほとんどが木造住宅です。
そして木造住宅が倒壊する原因の1位が腐朽・腐食、2位がシロアリ害によるものと言われております。
地震や津波ではないのかというところですが、腐朽・腐食、シロアリ害があるところに
自然災害に襲われて倒壊してしまうということで、根本の原因は腐朽・腐食、シロアリ害
となっています。
よく重視される耐震性能はお家が健康な状態にあって初めて担保される性能になります。
この2大原因を減らすためには
・木材を腐朽させる菌(キノコ菌)による害を減らす
・シロアリによる害を減らす
言葉では簡単ですが、どちらもなかなかの難易度です。
木材腐朽菌は空気中を漂っていますし、
シロアリも1mmの隙間があれば進入できると言われています
何も対策を講じない事や、簡単な対策=枯れ葉(腐朽菌やシロアリの大好物)で家を建てるようなものだ
と言われていたりします。
ではどうするの?というところですが
木材腐朽菌の活動については
栄養(木)、水分、温度、酸素が関わっており、唯一我々がコントロールできるのは水分です
湿気をこもらせない、適度に除湿・換気された状態にしておくことが大切です。
結露を発生させないことを意識し、断熱性能だけでなく、気密性能もしっかりと検討していく必要があります。
シロアリについては
住宅にとっては害虫ですが、地球環境にとっては益虫で腐った木材を食べて分解して土に返す役割を果たしています。
無くすことは不可能なので、住宅に寄り付かない対策が必要です。
一般に知られているのは薬剤(防蟻材)いわゆる殺虫剤ですが
農薬系防蟻材と無農薬系防蟻材の2種類があり、
圧倒的に農薬系防蟻材の使用が多いです。
コストが安い事もありますが、住み着いたシロアリを殺虫する成分も含まれるので
駆除+予防の一石二鳥だ!と言われ多く採用されています。
ですがデメリットももちろんあり、
農薬系と言われるように、野菜などの防虫にも使用される成分なので
食す人間に影響が出ないようにいずれ分解される成分になっています。
散布する薬剤は人間にも健康被害を与えるほどの効力で強力なのですが、
取扱に注意が必要です。
一方、弊社も採用していますが、
無農薬系防蟻材、ホウ酸系防蟻材は人体への影響が少なく、効力が無くなることもないので
素晴らしい防蟻材だと思いますが、国内ではあまり浸透していないのが現実です。
デメリットとしては、水に溶けてしまう為、防蟻工事の後の雨養生が肝心
というところでしょうか。
主成分はホウ酸でGの退治に使うアノ団子と同じ働きです。
彼らが食べることによって、ホウ酸の作用で細胞の働きを止め、弱って死んでしまうというメカニズムです。
細胞の働きを止める と聞くと人間にも大きな害がありそうですが、
お手元の目薬をご確認ください!なんとホウ酸が含まれております!
過剰でないホウ酸は人間にとっては無害で、腎臓の機能によって取り除かれるので
赤ちゃんがいるご家庭でも安心して採用頂けると思います。
とある書籍で
防蟻材について例えている一節があり、
住宅を人に例えるなら、防腐・防蟻材は鎧
腐朽菌、シロアリは降り注ぐ矢で
安くて魅力的だが、数年で消えてしまう鎧。買い替えは可能だが、全身の装備は出来ないもの(農薬系)
と
あまり知られていないが、使い方をちゃんとすれば永久的に使える鎧(ホウ酸系)
どちらを選びますか?というような節があり、
しっかり学んで、住まい手の皆さまに後者(ホウ酸系)を伝えていくのが我々住宅建築に関わるプロ
にとって大切な事だと思いました。
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