こんにちは
大阪の工務店&一級建築士事務所【つむぐ家】の現場管理担当 鈴木です。
一般の方が疑問に思う住宅のあれこれを解説するコラムです。
今回は
微生物がコンクリートにどのような影響を与えるか、そしてそれが建築や環境にどのような意味を持つのか?
について解説していきます。
一般的に、異物は劣化を招くと認識されています。
コンクリートにおいて微生物も異物であり、劣化を招く場合ももちろんありますが
実は良い影響を与えるものもあるので
今回は微生物がコンクリートに与える良い効果について書いていきます
微生物×コンクリート=自己修復コンクリート
自己修復コンクリートとは、コンクリートがひび割れや損傷を自動的に修復する能力を持つ技術です。この技術の一つに、微生物を利用する方法があります。
まず微生物(バクテリア)は水分と二酸化炭素と栄養素と反応して炭酸カルシウムという物質を生成します。
この性質を活用したものがバイオコンクリートと呼ばれ
- コンクリートにバクテリアと栄養素を含むカプセルを混ぜ込みます。
- ひび割れが発生すると、水分がひび割れを通じてカプ1セルに浸透し、バクテリアが活動を開始します。
- バクテリアが炭酸カルシウムを生成し、ひび割れを埋めて修復します。
といったプロセスになります。
メリットとしては
- 耐久性の向上: コンクリートのひび割れを早期に修復することで、構造物の寿命が延びる
- メンテナンスコストの削減: 自然に自己修復するため、修繕作業が減少し、コスト削減が可能
- 環境への配慮: 長寿命の構造物は、資源の使用を抑えるため、環境に優しい
などが挙げられますが
課題としては
- コスト: 現時点では、自己修復コンクリートの製造コストが高い
- バクテリアの寿命: バクテリアが長期間活動を続けるための方法
- 実用化の検証: 大規模な実用化に向けた長期的な検証ができていない
などがあります。
地震大国日本では構造的な頑丈さが確立しないと不安な部分が大きいですね
私も具体的にどこで用いられているかわからないのですが、オランダ・アメリカ・イギリスではトンネルなどインフラ構造物に試験運用されているそうです。
日本でもプロジェクト進行中みたいです!
微生物を利用したコンクリート技術は、建設業界において革新的な進展をもたらす可能性があります。特に、自己修復コンクリートは、構造物の耐久性を高め、メンテナンスコストを削減する上で大きな期待が寄せられています。
しかし、実用化にはまだ課題が残されており、さらなる研究と開発が必要です。
その他に微生物を活用している例は
- バイオミネラライゼーション: 微生物が無機鉱物を生成し、コンクリートの強度を高める技術。
- バイオセメント: 微生物を利用して土壌中でセメントを生成、地盤改良や構造物補強に利用する技術。
などがあり近い未来、ごく一般的になる事を期待しています。
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