
こんにちは、大阪府堺市で自然の力を活かすパッシブハウスの設計・施工を手がける
「つむぐ家」代表、一級建築士の田中です。
私たちはいつも、家づくりの始まりにこう考えます。
「どうすれば、機械に頼りすぎず、心地よく暮らせるだろうか・・・」

窓から差し込む冬のあたたかい日差し、夏に涼しい風が通り抜ける間取り、深く出した軒が夏の強い日差しを遮ってくれる… そんな、昔から続く日本の暮らしの知恵。それこそが、私たちの家づくりの原点であり、パッシブデザインの考え方です。
電気やガスはもちろん現代の暮らしに欠かせません。太陽光発電も、自家消費や環境貢献の観点から素晴らしい仕組みです。しかし、これまで私には少しだけ、心に引っかかる点がありました。それは、屋根に“ドーン”と載る、あの重厚な太陽光パネルの存在です。
家の美しい佇まいを考え抜いた設計の最後に、まるで後から「機械」を取り付けたような、あの存在感がどうも拭えなかったのです。自然の力を活かすはずの太陽光発電が、家のデザインや日本の街の景観にとって、少しだけ不自然なものに見えてしまう。このジレンマを、ずっともどかしく感じていました。
しかし、その長年のモヤモヤを、まるで春の光が霧を晴らすように、見事に消し去ってくれる可能性を秘めた技術が登場しました。それが、今回お話ししたい**「ペロブスカイト太陽電池」**です。
まるで植物の葉っぱ。日本で生まれた、新しい太陽電池
もし、太陽光パネルが、植物の葉っぱのように、薄く、軽く、しなやかだったら? もし、そのパネルを屋根だけでなく、” 家の壁や、窓、さらにはカーテンにまで「塗ったり、貼ったり」 ” できたら…?

夢のような話に聞こえるかもしれませんが、これを可能にするのがペロブスカイト太陽電池です。しかも、この革新的な技術が、2009年に日本の桐蔭横浜大学・宮坂力教授によって発明されたという事実に、私は心を揺さぶられました。
では、この「未来の太陽電池」が、私たちの家づくり、そして暮らしをどう変えてくれるのでしょうか?その可能性について「つむぐ家」のコンセプトに沿った3つの魅力、お伝えさせてください。
その①:家のデザインを邪魔しない。「景色」になる太陽電池
従来のシリコンパネルは、重く、硬いガラス製でした。そのため、設置できるのは強度の高い南向きの屋根が中心で、どうしても「後付け感」が出てしまいます。
しかし、ペロブスカイト太陽電池は、インクのように印刷技術でつくることができるため、フィルムのように薄く、驚くほど軽量です。曲面にも貼ることができます。
これはつまり、家の外壁が、発電する壁にもなるということ。 ガラス窓が、光を取り入れながら発電する窓にもなるということ。
家の外観に溶け込み、デザインの自由度を一切損なわない。それどころか、太陽電池そのものが、家の佇まいを彩る一部、美しい景色に溶け込む事になるかもしれません。これは、素材の風合いや眺望を大切にする私たちの家づくりにとって、まさに理想的な姿です。

その②:曇りの日でも、室内の光でも。「頑張り屋さん」な発電性能
大阪の空は、いつも晴れ渡っているわけではありません。私たちの家づくりでは、曇りの日の、あの柔らかく落ち着いた光も大切に設計します。
ペロブスカイト太陽電池の頼もしいところは、そんな曇り空や、なんと室内のLED照明のような弱い光でも、しっかりと発電できること。従来のパネルが苦手としていたシチュエーションでも、コツコツとエネルギーを生み出してくれる、健気で優秀な「頑張り屋さん」なのです。
これは、一日を通して、そして一年を通して、自然の恵みを無駄なく、最大限に活かすというパッシブデザインの思想に、近いものを感じています。
その③:「メイド・イン・ジャパン」の誇り。強く美しい国へ。
「つむぐ家」が掲げるコンセプトの一つに、「日本が豊かで美しい国であり続けること」への貢献があります。
ペロブスカイト太陽電池の主原料の一つである「ヨウ素」は、実は日本が世界有数の産出国です。資源の多くを海外に頼る日本において、基幹となるエネルギー技術の原料を国内で賄える可能性がある。これは、経済安全保障の観点からも、非常に大きな意味を持ちます。
日本人が発明し、日本の資源でつくり、日本の暮らしを豊かにする。この技術を私たちの家づくりに取り入れることは、単なる自家発電に留まらない、もっと大きな物語の一つになる可能性に期待し胸がふくらみます。
機械に頼るのではなく、「自然と賢く付き合う」ための技術
いかがでしたでしょうか。
「機械に頼りすぎず、自然の力を活かす」 私たちのこの考え方に、ペロブスカイト太陽電池は自然にフィットする可能性を秘めています。これは、暮らしを便利にするための「機械」を増やす、という発想ではありません。

降り注ぐ太陽の光という、最も身近な自然の恵みを、家の佇まいを崩さず、より賢く、より繊細に受け止めるための、いわば「自然との新しい付き合い方」になればいい、そう私たちは捉えています。
この革新的な太陽電池は、いよいよ今年2025年から本格的な社会実装が始まると言われています。家の壁が、窓が、暮らしを支えるエネルギーを生み出す未来。そんな、自然と技術が美しく調和した家づくりを、「つむぐ家」はこれからも追求していきます。
住まいと、自然と、未来の話。 そんな家づくりを、私たちと一緒に考えてみませんか?

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